2012/03/06

au.NETの罠 ~auスマホユーザー対象~ (返金対応)


2月、auのGalaxy S2 WiMAX ISw11SCを購入。
非常にサクサクでWiFi専用機として重宝している。

それはともかく、
3月にWeb利用明細がきて確認したところ、
au.NETなる名義で500円が徴収されている(税込525円)。
パケット使用量も52円が徴収されている。
なんぞこれ?

契約時、auの3G回線は使わない予定だったので
パケット通信サービスであるIS NETには加入せず、
物理的(契約的)にパケット使用量はかからない状態にした。
どうやってもスマホ単体でパケットなんぞ発生し得ない。

なのに、どうして?

とりあえず、au.NETについて調べる。
う~ん、対象機器をPCにUSB接続をして、
パケット通信をした場合にかかるプロバイダ料金が
au.NETの基本料金らしい。使ってない月は無料。

【対象機器】
W01K、W02H、W03H、W05K、W06K、DATA01、Wi-Fi WALKER DATA05
↑ISw11SCどころか、ISシリーズ(auスマホ)がない件。笑

なんかのミスだろう、と思い
157に電話をかけて問い合わせてみる。
案の定、最初のオペレーターには理解ができなかった。
事情を話し、通信系の担当者にかわってもらう。

「数分、お待ちください。」

「IS NETに入らないと、au.NETにつながります。」

「モバイルネットワークをOFFにすれば
つながらなくなるから、大丈夫だよ(・ω<)」


(゚Д゚)ハァ?
スマホでau.NETに接続設定もしていないし、
PCにUSBで接続したことさえないのに、つながる?笑
つながるau、つながり過ぎやろ!って馬鹿野郎。
わざわざ最初からプロバイダ契約してないのに、
プロバイダ料金を強制徴収されちゃ契約自由もクソもない。


そもそも契約時に
au.NETに加入する申し込みの意思表示さえしていない。
というか、契約書を読むとau.NETのチェック欄なぞナイ。

IS NET/ezwebの申し込みのチェックボックスはあるが
これは普通に×がつけられている。←申し込んでない。

んで、契約時に
「au.NETに強制加入になりますよ」
「使わなかった月は無料ですよ」
「スマホでIS NETに加入しないと、au.NETで勝手に通信しますよ」
なんていう説明は受けていない。

完全な説明義務違反です、本当にありがとうございました。

そもそも、auのポリシーとして、
ショップにau.NETについての説明なんて求めていないだろ。
なぜなら、PCでUSB接続して通信なんていう
イレギュラーな行為は普通しないんだろうから。
それに「Androidが勝手にau.NETにつながる」って事象は
auのカタログや機種の説明書にも詳しく載っていないし、
なによりau.NETの公式サイトにも記載されていないのだ。
たかだか1ショップのアルバイト店員や契約社員とか
そういう人達がそんなことを知るよしもあるまい。

【カタログの不備】
筆者が確認した限り、
2012.2月版カタログには、
小さい文字でザックリ書いてあるだけ。
au.NETの提供条件・スマホ接続条件は書かれていない。
これじゃ何のことかサッパリわからない。

P9(スマートフォン一覧頁の囲い書き)
スマートフォンのご利用に際して
※インターネット接続には、別途「IS NETコース」(→P79)をおすすめします。「IS NETコース」のお申し込みがない場合、「au.NET」(ご利用月のみ月額525円)でのご利用となります。
(以下、関係のない記載)

P79(ISコース説明頁下部の注意書き)
IS NETコースについて
☆3:「IS NETコース」のお申し込みがない場合は、「au.NET」(ご利用月にも月額525円)でのご利用となります。
(以下、関係のない記載)


【au.NETは解約できない件】
ところで、
「スマホでIS NETに加入しないと、au.NETで勝手に通信しますよ」
が本当なのであれば、
「モバイルネットワークをOFFにすればつながらなくなる」
としても今後も使用したとの請求が来た場合に
モバイルネットワークをOFFにしていたことの証明ができない。
オペレーターに「パケット使ってるし」といわれたら終わり。
なので、au.NETのオプションを解除してくれるよう頼んだ。
しかし、「au.NET解除はできない。使わなければ無料だから」と。
なんというコンボ。わけがわからないよ。


【問題点】
この件は、会社としてau(KDDI)に問題がある。

・au.NETに未承諾で強制加入(強制契約)、
料金発生という無効な契約であること。
・強制契約であるなら説明義務が課されるが、
(筆者の契約店だけでなく全ての販売店で)
これを怠っていること。
・au.NET経由でのスマホ接続の公式情報が存在しないこと。

筆者はこの問題はそもそも「誤課金」の部類だと考えている。


そんなわけで後日連絡となった。
連絡がきたらアップする予定。

【筆者のスタンス】
IS NET(315円)に加入しなければ、
au.NET(525円)に自動的につながり課金するのなら、
それは契約時に説明しなければならない。
契約時に説明を受けていない債務を払う義務はない。

また、自動接続・課金を避けるために
端末に何らかの設定(OFF設定)をする必要があるなら、
これもキャリア側が説明しなければならない。
それにも関わらず、公式の通知が一切ないのは異常。

IS NET加入者にはパケホーダイ(定額制)の
店頭説明が義務付けられている。<ISフラット等。
これに対して、
IS NET非加入者にはパケホーダイの説明がされない。
au.NET接続の自動接続を前提とするのであれば、
au.NETでのパケット漏れのリスクと
au.NET自動接続での高額請求も考えられるため、
ISフラットの説明をする義務がある。
どの店舗でもパケホーダイの説明がないのは異常。



【誤課金等の類例】

・身に覚えのない【au.NET】の料金が利用したことに!?

2008年の質問ログには、↑のような内容がある。

KDDIのISPサービス「au.NET」で約1700万円規模の誤課金(2008年11月25日)
↑で、ニュースになった。

KDDI、「au.NET」誤課金の再発防止策が完了――無料処置も3月利用分で終了(2009年03月30日)
↑再発してるし。笑

KDDI、auスマートフォンで誤課金――約10万回線、総額126万円(2011年05月13日)
↑去年はスマホで誤課金もやらかしてる。

・2chには、同様のau.NET被害者がいた。
【au】プランZシンプル Part2【月額980円】



【後日連絡がきたので追記】

>525円について

・「返金はできないが、次月以降の料金から割り引いてあげる。」
~返金の対応は以上。~


>(1)誤課金に類する問題では?

・IS NETのページに、注意書きがあるから誤課金とは考えない。

注1) 「IS NET」のお申し込みがない場合は、「au.NET」(ご利用月のみ月額525円 (税込)) でのご利用となります。


>(2)au.NETのページにはスマホの説明ないが?

・IS NETに注意書きがあるから大丈夫でしょ。


>(3)注意書きを読んでau.NETのページに飛んでも、
>スマホについての情報がないのでは?確認して。

・確かに、昔のUSB接続とかの情報しか載ってない。


>(4)他に接続の仕様を公開しているページ、あるの?

・ない。


>(5)だったら、注意書きを読んでも、わからんでしょ。
>IS NET非加入者は、au.NETのページ読んでも、
>「USB接続した場合に、525円かかるのね」としか考えない。
>不備では?

・注意書きに~、問題無い。
・担当部署に報告しておくよ。


>(6)そもそも、昔、誤課金事件発生してますよね。
>当時は、携帯単体ではau.NETで通信しなかった。
>だから誤課金事件が起きた。スマホはなんで違う?

・フューチャーフォンのEZ WEB回線とは異なり、
スマートフォンのIS NET回線では、
「原則としてパケット通信を行う」仕様になっている。
だから、注意書きに書いてる。

>(7)だったら、↑原則パケット通信を書くべきでは?
>契約書、カタログ、ホームページ、どこにも書いてないが。

・担当部署に報告しておくよ。



【感想】

ハッキリ言って、オペから誠意を感じなかった。

筆者は525円+52円を返金対応して欲しいだけではない。
たとえば、IS NET非加入者が「100万人」としよう。
(auユーザーは現在「3467万人」)
彼らがau.NETに勝手に接続されたとしたら、
ひと月に「5億2500万」もの金額を、auは不当に得ることになる。

強制契約である点についても問うたが、
そもそも法律も何も全くわかっていないオペに
契約の有効性の話は理解できなかった。
お金返せばいいんでしょ?っていう印象を受けた。
筆者個人じゃなく、誤課金被害者全員に返せ、と。

「担当部署に報告」はテンプレート回答である。
数カ月後のカタログを見たって、記載は同じだろう。
企業として、問題点を投げかけられているにも関わらず、
このまま放ったらかしにして不当に利益を得続けるなら、
「詐欺行為」だと言われても仕方ないのではないか。

au(KDDI)の対応に期待したい。



【コメント返信】

>匿名さん

オペレーターがau.netの説明をする点、
少しは消費者を意識するようになったのかもしれませんね。
一番上の匿名さんのリンク先(2ちゃんねる)を見るに、
クレームが多いのでしょう。

最近は、携帯電話会社というより、
パケット通信会社になってしまっています。

「無言の脅迫」は3社どこも基本的にやっていることです。
たとえば、キャリアメールはWifi運用が難しいです。
SoftBankのスマホなんてソフト更新で
わざわざ「Wifi受信不可」にしました。笑
キャリアはGmailをフィルタリング対象にしていて、
Gmailを使っていると、連絡に困る。
そんな煩わしさが嫌で、
LINEのチャットに流れている若年層も多いでしょう。

けど、「無言の脅迫」の中でも、au.netは最悪の部類です
ISNETを契約していないのに、
ISNETと実質的に同じ「au.net」を強制契約させられる点で悪質です。
しかも、ISNETの315円より高額な525円で。苦笑
携帯電話の契約は、双務契約ですから、
契約内容に対するお互いの「意思の合致」が必要です。
しかし、au.netでは、ユーザー側の
契約に対する意思もなければ、申し込みもない。
au.netを申し込みを「しない」という意思であっても、
「仕様ですから」という一言で強制契約にされてしまう。

本来、パケット通信は、
携帯電話の「通話」には全く必要ないものであり、
たとえ「SMS(Cメール)」であっても必要がないものです。
(海外では、SMS中心にスマホを利用するケースが多い。)

パケット通信は、あくまで、付随的契約(オプション契約)であり、
契約するかしないかは、消費者の自由であるという
グローバルスタンダードを、auは無視して、ガラパゴス化しています。

この消費者の意識(グローバルスタンダード)と、
auの意識(ガラパゴス思考)とのズレが、問題の根幹にあります。



【後日談】
※2014年追加。

2012年3月に「au.netの罠」の記事を書いてから、
ユーザーに広く周知されたのではないかな、と思う。
それでもまだ知らない人が多いのだけど。

記事を書いた半年後、
2012年9月にiPhone5がauから発売されて、
この端末はau4GLTEに対応している。
2012年10月には、Android端末も4Gに対応。

そして、au.NETの罠は、auの4Gスマホでも発生するか。
での実験・検証結果によれば、
4Gのau Androidスマホでは、
au.netの罠が発動しないことが判明。

auの4GLTEの規格の策定は、
すごく前から時間をかけて行われており、
この記事が直接田中社長の耳に入った、
ということはないと思う。けれど、
この記事を読んだユーザーからの苦情は、
au内部の通信担当の技術者にも入っているハズ。
4Gでの「改善」についてはauを評価していいと思う。

まぁ、この記事とauの改善との間の、
因果関係があるかどうかはともかくとして、
4Gスマホでは、au.netが発生しなくなったのは、
よかった、と安心するところである。