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SlimPortケーブル「SP1101」 |
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MHLとSlimPortとmicroHDMIの比較 |
【はじめに】
新型Nexus7(2013)が発表された。
記事参照:新 Nexus 7(2013)が発表されたので、雑感。
待ちに待ったモデルであることから、
そのスペックなどに注目が集まる。
しかし!
筆者はあえて、「SlimPortHDMI」という
地ぃ味~な機能に注目していきたい。
マイナー規格vsマイナー規格、「ファィッ!」
【Nexus7(2013)】
Nexus7(2013)では、
HDMI出力のために、
SlimPortが採用された。
SlimPortってなによ?
「MyDP(Mobility DisplayPort)」って
規格がVESAで通ってて、
米Analogix Semiconductorがつけた
ブランド名が、「SlimPort」ということみたい。
んで、microUSB経由で映像出力する規格だ。
・端末(microUSB)<===>テレビ・液晶
「microUSB経由で映像出力」といえば、
MHLが日本の多くのスマホに搭載済み。
WikipediaのMHLページに対応機種がある。
(XperiaやらGALAXYやらAQUOSやら)
http://ja.wikipedia.org/wiki/MHL
※筆者は、去年以下の記事を書いている。参照のこと。
MHLケーブルを調べた&使用レビュー(動画入り)
【SlimPortの利点】
では、後発のSlimPortってなにがいいんだろ。
===パターン1===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※MHL or SlimPort対応端末
現状、世界のテレビは、(MHL非対応)のパターンが最も多い。
===パターン1===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※MHL対応端末
@パターン1において、
×MHL(専用)ケーブルをつなぐと、何も映らない。
※MHLは、端末に電源供給がなされていないと、動作しない。
(これは、筆者のテレビで試したので間違いない。)
===パターン1===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※SlimPort対応端末
@パターン1において、
○SlimPort(専用)ケーブルをつなぐと、映像が映る。
ただし、電源供給はないので、スマホの電力は減っていく。
(推測。筆者はSlimPort端末をもっていないため。
参照)
現状、世界のテレビは、(MHL非対応)のパターンが最も多い。
筆者のテレビ(LC-24K7-W)は、(MHL対応品)の先駆けであるが、
最新モデルでも、すべてがMHLに対応しているわけではない。
だから、流行ってないMHLポートによる電源供給を諦めて、
普通のHDMIポート搭載の(全世界にある)テレビに映せるようにしよう!
というのが、SlimPort規格の主張であり、利点である。
簡単に言うと、「microHDMIポート」を、
「microUSBポート」と同様の形状にして、
映像出力チップを省電力化したのが、
SlimPort規格の正体なんだと思うの。笑
※「microHDMIポート」は、
Xperia acroHD,acro,arcに搭載されているが、
「microUSBポート」と別枠で2口存在していた。
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画像は、Xperia acroHD |
ただ、省電力化されたとはいえ、
端末(Nexus7(2013)やNexus4)に映像出力させて、
再生中、充電できないから、どんどん消耗する。
しかも、充電用のmicroUSB端子はふさがっている。
※上記XperiaAcroHD等なら、2口あるから充電再生できた。
そんなことはわかってるよ!という声が、
米Analogix Semiconductor社から聞こえる。笑
そう、この問題に対応するSlimPort(変換)ケーブルがあるのだ。
それが、パターン2。以下。
===パターン2===
・端末(microUSB)<=変換ケーブル=>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※MHL or SlimPort対応端末 ↑
microUSBケーブル←ACアダプタ←コンセント
変換ケーブルには、
中間にmicroUSBポートがあるコネクタがあり、
そこから電力を供給させることができる。
===パターン2===
・端末(microUSB)<=変換ケーブル=>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※ SlimPort対応端末 ↑
microUSBケーブル←ACアダプタ←コンセント
@パターン2において、
☆SlimPort(変換)ケーブルをつなぐと、映像が映る。
しかも、ACアダプタ経由での電源供給により、スマホは充電される。
※ちなみに、
microUSBケーブル←ACアダプタをつながなくとも、
変換ケーブル(SP1002+HDMI)だけで出力は可能。(
Youtube参照)
もちろん、その場合には、給電はされない。
これで充電しながら見られるじゃん!
SlimPortバンザイ!やったー!、、、と、喜んではいけない。笑
実は、同じ変換ケーブルが、MHLからも出ているのだ。
===パターン2===
・端末(microUSB)<=変換ケーブル=>テレビのHDMIポート(MHL非対応)
※ MHL対応端末 ↑
microUSBケーブル←ACアダプタ←コンセント
@パターン2において、
☆MHL(変換)ケーブルをつなぐと、映像が映る。
しかも、ACアダプタ経由での電源供給により、スマホは充電される。
※
microUSBケーブル←ACアダプタをつながなければ、映像出力は無理。
しかも、バンバン社外品が発売済みで安い!
※↑のような「MHL変換アダプター」は、
多くのMHL非対応テレビのHDMIと、
MHL対応スマホ(など)を接続して、
間に給電用ACアダプターをかませることで、
「なんとなくMHLっぽい環境」を作る製品。
iPhoneやiPadでいう「Apple Digital AVアダプタ」。
本来、ニッチ商品の部類だと思うんだけど、
MHL非対応テレビ(普通のHDMI搭載)を
持っている人が多いため、メジャー商品になってる矛盾。
テレビやディスプレイ側はフツーのHDMIなので、
MHL対応テレビでも一応使えるけど・・・ACが邪魔。
MHLケーブルを調べた&使用レビュー(動画入り)より
===パターン3===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL対応)
※MHL or SlimPort対応端末
忘れてはいけないのが、このパターン3だ。
最新の日本のテレビは、MHLに対応している場合がある。
===パターン3===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL対応)
※MHL対応端末
@パターン3において、
☆MHL(専用)ケーブルをつなぐと、映像が映る。
しかも、MHL対応テレビ経由での電源供給により、スマホは充電される。
===パターン3===
・端末(microUSB)<===>テレビのHDMIポート(MHL対応)
※SlimPort対応端末
@パターン3において、
○SlimPort(専用)ケーブルをつなぐと、映像が映る。
ただし、電源供給はないので、スマホの電力は減っていく。
(パターン1=普通のHDMIと同じ。)
パターン3では、当然だが、MHLの利便性が光る。
ACアダプタ等を介在させずに、充電までできてしまうのだ。
【追加出費費用は?】
1.旧型テレビを使っている場合(MHL非対応テレビ)
(1)SlimPort対応端末では、パターン1やパターン2が可能。
(2)MHL対応端末では、パターン2しかありえない。
(1)+パターン1では、SP1101が必須。→○再生中消耗
(1)+パターン2では、SP1002が必要。→☆再生中充電
SP1101とSP1002は、米Analogix Semiconductor社の公式製品。
※SP1101は、2000円以下。互換製品が販売されていない。
※SP1101は、Amazon.comでメイン販売。34.95ドルが定価みたい。
※SP1002は、3500円から。互換製品がアメリカには売っていた。
(日本のAmazonとアメリカAmazonを調べた結果。)
チラウラ:もしかしたら、MyDP対応製品なら使えるかも。
Nexus7(2013)が日本未発売なので検証できないが。
(2)+パターン2では、MHL変換ケーブルが必要。→☆再生中充電
MHL変換ケーブルは、各社が発売している。
社外品が多数出回っているため、とても廉価。
Amazonでは、800円以下(送料無料)で売っていたりする。
※ちなみに、(1)・(2)+パターン2では、
別途HDMIケーブルが必要。
ダイソーで420円で買うか、ネットで買うといい。
(
最安値HDMIケーブルの入手方法を参照。)
2.2013年のテレビを使っている場合(MHL対応テレビ)
(1)SlimPort対応端末では、パターン1やパターン2が可能。
(2)MHL対応端末では、パターン3が可能。(パターン2も可能)
(1)+パターン1では、SP1101が必須。→○再生中消耗
(1)+パターン2では、SP1002が必要。→☆再生中充電
(上記1.(1)と同じ)
(2)+パターン3では、MHL専用ケーブルが必要。→☆再生中充電
PL-MHL01-EZ、PL-MHL02-EZ、PL-MHL03-EZが、
Amazonで最安858円で売っている。
(筆者は去年2000円出したので、お得です。笑)
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MHLとSlimPortとmicroHDMIの比較 |
【まとめると?】
MHLが目指す世界と、SlimPortHDMIが目指す世界。
どちらがより便利な世界化といえば、MHLである。
ケーブル1本で、再生中充電ができてしまうのだから。
筆者が、去年9月に記事を書いた時点では、
MHLケーブルごときが、2000円以上もしていた。笑
しかも、それが変換ケーブルよりも高いという
逆転現象を起こしているほどであった。
しかし、その欠点は、5月、PLANEX社によって解消された。
FFPとはいえ、858円なら、許せる価格だろう。
MHL対応テレビを持っているのであれば、使わない手はない。
一方、SlimPortHDMIは、問題を抱えている。
・ケーブル1本で、再生中充電ができない点。(SP1101)
・再生中充電をしようとSlimPort変換ケーブル(SP1002等)を使うと、
その状態は、MHL変換ケーブル使用時と同じになること。
・しかも、SlimPort変換ケーブルは、高価で選択肢が少ないこと。
こういう欠点に目をつぶってでも、SlimPortHDMIを採用するのは、
・再生中「充電」が不要なほど、端末の電池が大きい場合、かつ、
・microUSBのほかに、HDMI系のポートをつけたくない場合、かつ、
・MHLテレビが存在しない地域に、製品を売っていきたい場合、であろう。
Nexus7(2013)は、Nexus7(2012)よりも、駆動時間は伸びている。
そして、端末の薄型軽量化によって、ポートは増やしたくない。
そういう関係で、SlimPortHDMIを採用したんだと思う。
※Googleが、SlimPortと米Analogix Semiconductorを好きなのかも。
・LGがOptimusシリーズでMHLなのに、Nexus4でSlimPortを採用したこと
・ASUSがPadfone2ではMHLなのに、Nexus7(2013)でSlimPortを採用したこと
こうしてみると、GoogleはSlimPort大好きなんだろうなぁ。
SlimPortHDMIの魅力は、移動先の環境でも、
SP1101の「1本だけ」で映像出力できることだろう。(もしくは、)
SP1002+HDMIの「2本だけ」で映像出力できることだろう。
Nexus7(2013)とケーブル「1本だけ」持っていけば、
気軽にHDMIとmicroUSBを接続して、プレゼンが可能。
MHLでは、テレビ側がMHL非対応だと映像出力できない。
これは、MHLの弱点だろうね。MHL3.0で改善してほしい。
移動先の環境での映像出力を、MHLで実現するには、
MHL変換ケーブル+HDMIケーブル+ACアダプタ(orUSBバッテリー)
の「3本」が必要。ちょっとカサバルかもしれない。
けど、MHLテレビがある筆者のような環境では、
やっぱり、SlimPortHDMIって、MHLの劣化版な感じがする。
なんだかなぁ。笑
どっちの規格も、「変換ケーブル」ありきで策定するのなら、
テレビ側にUSBポートをもっと増やしてほしい。 8ポートほど!
なによりも、テレビにワイヤレスで
端末の画面を表示できるWiDi(Intel)の未来が、
はやく来てくれないかなぁ、と願っている。(
前記事にも書いた)
※Nexus7は、Miracastに対応している。
「HDMIケーブルよ、さようなら」と早く言いたいものだ。
ミラプレ(WFD-HDMI)とかPTV3000とか。<Miracast用の機器
Googleの答えが、Nexus7(2013)と同時に発表された
Googleの「Chromecast」(35ドル)になるのかねぇ。
データを全てクラウド化できたら、「Chromecast」は強力だ。
問題は、ローカルにあるデータを閲覧できるか、だが。。。
(映像を見てると、YoutubeやPlay動画やPicasaの再生機っぽい。)
なんにせよ、面白い製品が、面白い価格で出てきたね。
【関連記事】
Nexus7(2013)でSP1101(SlimPortHDMIケーブル)の互換性を試してみる。
〆