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2008/09/12

PentiumDC E5200をオンボでOCしてみた。



PentiumDC E2200をオンボでOCしてみた。』という記事から9ヶ月。
今度はE5200を買ってオンボでオーバークロックしてみた。


【はじめに】
PentiumDC E5*00の購入を考えられている方へ。

この記事がお役に立ちましたら
下記のリンクから購入していただけると嬉しいです。
筆者への研究資金援助になります。(;∀; )イイハナシダナー
Pentium Dual-Core プロセッサー E5300 BOX(R0+VT)@ドスパラ
Pentium Dual-Core プロセッサー E5300 BOX(R0+VT)@ソフ
(発売から1年以上経過し、E5200はディスコンされました。
価格的にはE5300VTが後継CPUです。E5400VTも視野にどうぞ。)

⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ドスパラ
⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ソフマップ
(当記事の対象はFSB800のE5200なのでE6*00系購入は推奨しません。
OCはマザーにより最適なCPUが異なるので、各自判断してください。)

【新コアについて】
2009年4月に新コアのE5200が出ました。(スペックは同じです。)
M0(SLAY7)が旧コア、R0(SLB9T)が新コアになります。
一般的に新コアの方が発熱や消費電力面で優位と言われますが、
E5200では、どちらが絶対的に優位という結論は2chでも出てません。

604 名前:Socket774[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 14:51:47 ID:35TOB+ys
M0→E8xxxC0ステの低キャッシュ版
R0→E8xxxE0ステの低キャッシュ版
 ←このレスは参考になるかも。

【VT】
「Intel Virtualization Technology」が
7の影響で注目を浴びていますが、E5200は非搭載です。
(追記)
2009年8月からVTに対応したE5300が発売されています
SLGTLってやつです。
Windows7でXPmodeを使う場合には重宝するかもしれません。
Pentium Dual-Core プロセッサー E5300 BOX(R0+VT)@ドスパラ
E5200はディスコンされたので発売されません。(おそらく)
E5400,Q8300,E7500,E7400は、VTモデルが発売される予定



【E5200概略】

このE5200、パソコン関連の大手記事が妙に冷たい。
watchの記事も↓だけ。
45nm版の最下位QuadとPentium Dual-Coreが発売に

(追記:4gamerの記事がupされていました。参考になります。)

注目度が低いといえばそれまでの話だが、
スペック的にはかなりジャストミート(なハズ)。
45nmで初のFSB800Mhz。これは大きい。(E7200はFSB1066MHz)

E7300 266*10 =2660Mhz定格
E7200 266*9.5=2527Mhz定格
E5200 200*12.5=2500Mhz定格 ←倍率が高くFSBが低いのでOC向き。

===45nm/65nmの壁===

E2200 200*11 =2200Mhz定格 オンボで3.3Ghz@1.550vが限界
E2160 200* 9 =1800Mhz定格 オンボで3.2Ghzが限界。(電圧忘れた)

(追記)
低価格OC的にはFSB(1,066MHz)のPentium Dual-Core E6300は不向きっぽい。


そういえばCPUの黒いカバーがセットから外れたっぽい。



【優劣vsE7x00】
◎両者とも共通して45nmなので冷え冷え。OCしてもアツくない。
○E5200は倍率が12.5と高く、定格FSBが低い。
 →FSB限界値が低めのオンボでのオーバークロックに向く
○E7200(13000円台-)E7300(15000円台)という価格を考えても
一万円弱で買えてしまうE5200は価格的にいいポジションをしめる。
×L2キャッシュがE7x00の3MBに対し、E5200の2MBと少ない。
○逆にL2キャッシュが少ないことが幸いし、消費電力はE5200の方が低い。
△名前がCore 2 DuoではなくPentium Dual-Core。(Penファンには○?)


こんなところだろうか。


【購入まで】 ←飛ばしてOK。
無駄に迷った。

発売当日に買おうかと思って待ち構えていたが、
2chのレビューを読むとなぜか酷評ばかり
もはや"4Ghz超え"が当たり前の世界になっているOCの世界で
E5200はあまり歓迎されていないようだったのである。

現在使っているE2200の処分も面倒だった。
3Ghzで動いているのに、それ以上のクロックが必要か微妙。
どうせセカンドで、用途は放置してエンコさせるだけだし…

ネット(祖父.com)で買おうか迷ったが踏ん切りがつかず、
町田の店頭で値段を比べてみることにした。
ところが、町田のPCショップで売っていたのはツクモのみ。
ソフマップ死亡、ドスパラ死亡。
ツクモの価格も9780円(と記憶)で…もう買う気が萎えてきた。orz
秋葉原最安値9450円-9479円と300円違うし。。。

無駄に町田ヨドバシまで足を運ぶとガラスケースにE5200が。

10200円。現金でポイント1020P還元。9180円。実質9180円!
気付いたときには番号札をレジまで持って行ってました。淀も寄るもんです。
・9/5調査秋葉原価格 9470円
・9/6調査秋葉原価格 9450円
・9/12調査秋葉原価格 9450円
・9/19調査秋葉原価格 9450円
・9/26調査秋葉原価格 9450円
・10/3調査秋葉原価格 9450円
・10/10調査秋葉原価格 9380円
(いずれも2008年の価格)

ネットなら↓がお得です。(しつこいΣ;;
⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ドスパラ
⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ソフマップ



パッケージ。
SLAY7。Pack Date 08/04/08。BX80571E5200。参考まで。


ファンはE2200と同じNIDEC。あまり冷えない薄型クーラー。使わない。



【環境】

【CPU】E5200 (2.5Ghz SLAY7)
【M/B】Fatal1ty F-I90HD
【VGA】オンボ(D-Sub接続)
【Mem】5GB ←OSは3.43GB認識。Gavotte Ramdiskで1.5GBを活用。
1GB*1 (TEAM ELITE DDR2 1GB 800MHz)
2GB*2 (Transcend DDR2 2GB 800Mhz)

【HDD】T7K250 250GB
【クーラー】NINJA mini SCMNJ-1000
【光学ドライブ】GSA-H44N

【ケース】Compucity CH-01W/400P4
【電源】SLT-400

【チップセット関係設定】
DRAM :SYNC
PCI-E :100Mhz
DDR2 :1.8
NB1.2 :1.3  ←NB電圧は、これまでの経験上
NB1.8 :1.872 ←これが限界ということで据え置き。




【ようやく実験開始】

このチップセットのオンボでの耐性は
FSB333くらいまでとわかっている。
これ以上では起動はするけど不安定なのが経験則。
目標は4Ghz超え(FSB320)だけど、とりあえず300に設定。

・定格
E5200 200*12.5=2500Mhz定格

・FSB300
E5200 300*12.5=3750Mhz@1.450v win起動○ ORTHOS15分OK。
幸先良くアッサリ成功。どこまで電圧をさげれるかやってみる。
E5200 300*12.5=3750Mhz@1.400v win起動× ダメね。
E5200 300*12.5=3750Mhz@1.425v win起動○ ORTHOS15分OK。通った。

1.425vで3.75Ghz…しかもオンボ。^^
これだけで満足。おなかイッパイイッパイ。
これ以上電圧盛って常用は精神的に嫌なので300で打ち止めかな。


好奇心的に4Ghzにどれくらいでいけるのか実験。
・FSB333
E5200 333*12.5=4163Mhz@1.425v win起動×
E5200 333*12.5=4163Mhz@1.450v win起動×
E5200 333*12.5=4163Mhz@1.525v win起動× ←一気にあげるもダメ。

1.525以上でwin起動してもORTHOSはとても通らないだろう。
FSB333はあきらめた。

・FSB320
E5200 320*12.5=4000Mhz@1.475v win起動○ ORTHOS×エラー2s
E5200 320*12.5=4000Mhz@1.500v win起動○ ORTHOS×エラー5s
E5200 320*12.5=4000Mhz@1.525v win起動○ ORTHOS×エラー54s
E5200 320*12.5=4000Mhz@1.550v win起動○ ORTHOS×エラー75s。

win起動はするんだけどねぇ。
ORTHOSで不可をかけると、フリーズかその前にエラーをハク。
忍者miniでの冷却不足が原因の可能性もあるが、常用は無理ね。

・常用は3.75Ghzで。

E5200 300*12.5=3750Mhz@1.450v のスクリーンショット。
1.425vに保険で1.450vで動かすことにした。問題なく動作してくれる。




【効果】
そんなわけでエンコードをしてみる。
約49分のmpeg2ファイル(2.9GB)を
Xvidを使って2Mbpsでエンコ。770MBに圧縮する。

E2200 3000Mhzで46分~50分
E5200 3750Mhzで30分~33分


約15分の短縮になった。
3Ghz超えで元ファイル実時間に追いついたときは
これでエンコが楽になると感動したものだが、
実時間(49分)を余裕で切るというのはさらに大きい。

【おまけコラム】

(エンコのミライ)
これからはmp3エンコードのように
みるみるうちに動画がH.264などに変換される時代になるのだろう。
もっとも、それは今のようなOCしたCPUによってではなく、
nvidiaが開発しているCUDAのようなGPGPUによって実現されそうだ。

奇しくも、E5200が発売された8月末に、
TMPGEncがCUDAをサポートすることを明らかにした。
続報によると、GPUによるエンコードが可能になるのは
2009年になるそうだ。(詳しくはロードマップおよび記事参照)


(CPUのグチ)
筆者はこれからのCPUの性能向上に疑問をもっている。
Pentium4全盛期の2003年の予想では、
IntelのCPUは2007年時点で10Ghz(笑)を超えるはずだった

このトンデモ予想が外れたことは周知であるが、
もし本当に10Ghzになっていれば
エンコードの性能もCPUに期待し続けられたと思う。
10Ghzの1コアCPUの方が、(多コア3Ghzよりも)
エンコード性能は早かっただろうからだ。

C2D/C2Qはクロック上昇の限界を打ち破るために
コアを2つ/4つと増やしている。
しかしコア数増加に、本当に意味があるのだろうか。

素人目には、「1コアが2コアになったら性能は2倍。」
「1コアが4コアになったら性能は4倍。」と映りそうだが
実際にはベンチマーク以外で役立つ姿を見れていない。

複数コアのイメージは
「1つの重い処理を複数のコアが
 同時に実行して処理を高速化する」
という
PentiumD時代の雑誌の風評よりも、むしろ
「2つ以上の重い処理を複数のコアが
 分散して実行することで、
 1コアで生じていたツッカカリをなくす」
というものに近い。

そうすると、多コアのメリットは
重い処理が複数存在することを前提とした
相対的な速さであって、
1つだけのソフトしか存在しない場合には意味がない。

簡単にいえば、複数のソフトを同時に走らせれば
複数のコアが処理してくれるから、1コアより相対的に早くなる。
けど、単体のソフトを使った場合には余ったコアは無意味になる。
ということである。

整理するとこうだ。
(1)重い複数のソフトを並列処理  OSレベルの話。
(2)重い1つのソフトを分散処理  ソフトレベルの話。
1の用途では性能を発揮。2の用途では性能を発揮しない。

(1)の状況では確かに早くなる。
動画を見ながら、エンコードをしたり、ウィルスチェキて状況。
しかしこういう状況は普通考えにくい。
というかだったら動画を見るPCを1台別途用意した方が
同一HDD・メモリにアクセスすることがないのでいい環境だ。

(2)の状況にしろと、CPU屋はソフト屋に対応を迫っている。
けど、かなり無理がある作業なんじゃないかと思う。(素人目に)
ソフトにもよるが、複数コア対応しても早くならないものが多数ある。
(追記:業界では、これをアムダールの法則というらしい)

ベンチマークソフトでは複数コア対応すると
異様にスピードが上がる。コアが増えれば増えるほど…
ただ、エンコードソフトでは、実用上のスピードが
コア数に比例しては上がっていないというのはよくあることだ。

エンコードの場合の例。
「20本のmpegファイルをエンコードする場合」
・C2Qでエンコ
→1コ30分。20コ600分(10時間)。
・C2Qのコア1つ1つを別々のPCに分けて
それぞれでエンコードをさせる。=4台のC2SOLO機で作業。
→1コ30分(強)。20コ÷4台×30分=150分(2時間半強)

こういう状況にある。
4コアになった~やった~満足感げと~では役に立たないのでは?


(i7シリーズ)
コア数増加に対する疑惑が長くなりました。
そんな悪寒がブルブルしている最中、
LGA775が終わった次の世代であるNehalemこと
"Intel Core i7"が発表されています
4コア*HTで8コア的な動きをするようです。

これって意味あるの?

もはやオナニーとしか言いようがないと思うのです。
今までの話を総括すると、
8コアあるとして、それを1ソフトに注力できるソフトは
開発が難しくて、結局残りのコアは無駄になりがちである。
そうすると、8コアの使い道は、
8コのソフトを同時にブン回すという、
明らかに人間の能力の方が先にブットんでしまう
使い方しか無くなってしまうわけですよ、これが。

OCも1.576Vでようやく4.11GHz ってレビューでイラナイ子。
発売前なのにi7は可愛そうといえば可愛そう。

(まとめ)

結局、重い処理に汎用プロセッサのCPUを使うのは
複数コアに逃げようが何しようが
もう無理が出てきたんじゃないかっていう話でした。

ところで筆者は、PDFファイルが重いので嫌いです。
こんなもん画像連結させてアップすればええやん!って
いうような表やグラフを官公庁は嫌がらせのように
PDFファイルに出力して、ネット上にアップしてきます。
.pdfだと見られたくないんじゃないかって思うほど。w

そんなPDFですがadobe reader8(最新は9)からは
GPUアクセラレーションに対応しており
非力なCPUでPDFを開いたとしても、
GPUのサポートによってコロコロ拡大縮小ができます。

これぞGPUの力っていうのを感じられるので是非お試しあれ。
(厳密にはGPGPUじゃないんでしょうけど。)


【おまけのおまけ】
リードテック、東芝のメディアプロセッサ
   「SpursEngine」搭載PCIe拡張カード


東芝のSpursEngineは、Cell/B.E.の
ストリーミングプロセッサコア「SPE」を4基と、
H.264およびMPEG-2のハードウェアデコーダ/エンコーダを
内蔵した映像処理向けのストリーミングプロセッサ。

例のソニーから買ったPS3のセル工場で作ったのかな。
GPGPUじゃないけど気になるよね~、値段が。w
1万以下で出れば需要あり。5千円ならバカ売れしそう。
2万以上ならサヨウナラ。

(追記1)
CEATEC JAPAN 2008 -
リードテック、SpursEngine搭載カードWinFast PxVC1100とその製品展開


>発売は10月末の予定で、価格を伺ったところ、3万円台(のおそらく後半)という

(ノ∀`) アチャー

(追記2)
SpursEngineカードのバルク品が一時店頭販売¥24,980

(ノ∀`) まだまだ高いな~
エンコ単機能しかないのに、この価格は…

チップ値(東芝)を安くしてくれないと
2万は割れないんだろうね。
2007年9月に約1000億で買ったCELL工場を
減価償却するためには、安売りはできないのか。

お高くとまっているとエンコ関係の
エコシステムが構築されないで、
結局"CELL自体がボツっちゃう"可能性も
十分に考えられるわけで~。。。
使い物にするために、1万切らないとダメね。
1万円切るにはチップ単価を7000円以下にしないと
メーカー的に無理なので、東芝は自腹切って欲しい。
(2009.4追記)
TME同梱で29800円。実質値下げ?でも高いよ。

SpursEngineカードの「TMPGEnc 4.0 XPress」バンドル版(記事)

(2009.9追記)
ちなみに、CELL搭載の新型PS3は3万円弱です。(笑)


【ネット通販店】
⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ドスパラ
⇒Intel Pentium Dual-Core 一覧@ソフマップ
(当記事の対象はFSB800のE5200なのでE6*00系購入は推奨しません。
OCはマザーにより最適なCPUが異なるので、各自判断してください。)

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