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2007/09/25

CATV経由の地アナ画質は悪かった!



【自宅のTV配線環境】

俺の自宅マンションは、
「マンションの共用アンテナ」と「ケーブルテレビ(J:COM)」
この2つが通っている。

リビングのテレビには「共用アンテナ」から線を引き、
自分のパソコンには「ケーブルテレビ」から線を引いている。

俺は「常識的に考えて、ケーブルテレビの方が
ノイズの影響を受けることが少ないから画質はいいはず!」
といった先入観を持っていたので、
録画に使うパソコンをこの構成にしていたのだが、
黒バックに白文字などの時にゴーストが見えることがあった。

そんなこともあって、定期の電波調整にきた
J-COM(CATV業者)にそのことを話してみた。
そして、調査後に結果を聞いてみると問題ナシだった。

問題ナシとは出力測定で60dB~80dBのことらしいが、
ウチはどのチャンネルもその数値内にあったのである。


【山田祥平のRe:config.sys】

そんな俺は今日配信された
山田祥平のRe:config.sys テクノロジの向こう側
を読んで驚いてしまった。

太字部、引用。

●理不尽な放送電波の再送信
 ぼくが暮らし、仕事をしているマンションには、数年前にケーブルTVが導入された。それまでは屋上の共聴アンテナで東京タワーからの電波を受信し、各戸はその電波で放送を楽しんでいた。
 ケーブルTV業者が入ったことで、屋上のアンテナからの電波配信は廃止となり、各戸のアンテナ端子には、ケーブルTV事業者の信号線が配信されるようになった。パススルーなので、今までとは特に使い勝手は変わらず、事業者と契約しないでも、今まで通りにTVは楽しめる。だが、アナログTVで見る限り、明らかに今までよりも画質は落ちた。というのも、ケーブル事業者は、都心にあるアンテナ施設で東京タワーからの電波を受信し、それを再送信しているため、分岐とブーストを繰り返すなかで、損失や劣化が起こっているからだ。
 どうして、こんなにめんどうなことをするかというと、放送事業者はケーブル事業者に電波を介さずにコンテンツを提供してはいけないからだ。ケーブル事業者もまた、おおむね大きく画質を損なうことなく、電波の再送信だけができることになっている。放送である以上、必ず電波を介さなければならないわけだ。
 普通に考えれば、放送事業者とケーブル事業者が契約し、電波になる前の信号を分けてもらい、それをケーブルTV事業者が配信すればよさそうなものだが、それができない。だから、ケーブルTVなのに、ちゃんとゴーストまである。受信した電波の再送信なのだから当たり前だ。地上波デジタル放送では、そこまでの劣化はないようだが、どうにも理不尽に感じる。仕方がないので、うちの録画環境には、画質の劣化を最小限に抑えるために、ヨドバシカメラで買ってきた1,000円程度の室内アンテナをつないである。ケーブルTVの電波よりも、そちらの方が明らかに画質がよく、ゴーストも少ないからだ。
 配信技術はとうの昔に確立され、知財関連のプロテクトも技術的に可能になっている。そして、デバイスも各種のものが揃いつつある。でも、なんだかわけのわからないことになっている。放送事業者に今以上の力を持たせないためには、どうしても必要になるであろう法規制ではあるが、それが暮らしの便利を邪魔することもあるわけだ。


特に注目すべきは、
「アナログTVで見る限り、明らかに今までよりも画質は落ちた。
というのも、ケーブル事業者は、都心にあるアンテナ施設で
東京タワーからの電波を受信し、それを再送信しているため、
分岐とブーストを繰り返すなかで、損失や劣化が起こっているからだ。」
という部分である。

・東京タワーから電波を受信することに関しては、
J:COMの人が来たときにも説明を受けていた。
・分岐とブーストを繰り返すことによる電波の損失・劣化も
説明を受け、その電波の測定のために来たとJ:COMに言われた。

・しかし、電波の損失・劣化により共用アンテナを使うよりも
画質が劣化してしまうということは聞いていない!

簡単に言えば、共用アンテナに繋いだ方が
画質がキレイになっているのだ! /(^o^)\ナンテコッタイ

これって説明義務に反しないのか?
大家も不動産業者も騙されてる気がする。w



【J:COMの商売】

話が少しそれるが、J:COMという企業は俺に言わせれば"インフラ詐欺"だ。

この企業はサービスとして主に
・ケーブルテレビ配信(J:COM TV)
・CATVインターネット(J:COM NET)
・CATVを利用した電話(J:COM PHONE)
の3つのサービスを提供している企業である。

通常、消費者がこれらの有料のサービスを
他社にお願いする場合には、
(1)その会社に連絡し、(2)契約を結び、
(3)接続設備を設置してもらい、サービスが開始する。

J:COMの場合、マンション大家や不動産会社(管理会社)と
結託して、マンションに自社のインフラを設置させてもらい
入居者にそのインフラの利用をススメルといった構造だ。

よって、J:COMの営業では(1)と(3)の手続きが簡略化される。
しかも、電波測定にカコツけて、入居者に(2)契約の営業もできる。
つまり入居者が契約をしやすい環境を予め整えるのである。

もし、これでJ:COM・大家・入居者が全員満足すれば良い。
しかし現実は違う。

◎J:COMにとっては営業によりサービス加入者の増加
◎大家にとっては無料で提供されるインフラ(バックマージンもあるぽ。)
△ではユーザにとってのメリットはなんだろうか?

このページが料金表(板橋区)である。

・本業のケーブルテレビ配信は、月に4980円(税込 5229円)もかかる。
同業のスカパーだと、自分の好きなチャンネルだけ
組み合わせることが可能であるためこれより安くなる。
(全チャンネルを見るテレビマニアなんて極一部だろう。)


・CATVインターネットは
8Mbpsで4980円(税込5229円) 30Mbpsで5500円(税込5775円)もする。
(実際に8Mbpsを使ってみた経験から言えば、実測1Mbps出なかった。
しかも他人と共用接続なので、共有フォルダが…。以下略)

価格COMで調べるとわかるが、電話回線加入者なら
今や大手プロバイダの12MbpsのADSLが最安月2100円で繋がる。

さらに、主にJ:COMが入っているような"マンション"なら
光ファイバーでさえ、最安4500円強で加入できてしまう。<Bフレッツ



・CATVを利用した電話に至っては、笑ってしまう。
なぜなら、上の価格COM最安プランには
どちらもIP電話の料金が含まれているからだ。

J:COM PHONEの料金も一般加入電話よりは安いが、IP電話には負ける。
基本料金は1330円(税込 1397円)もかかる<IP電話は基本料金無料。US料金7円だけ。
加入者電話同士の通話も有料<IP電話は加入者同士無料。ユーザー数も多い。



まとめると、特殊な用途を目的とした人以外にとって
J:COMの有料サービスというのは「高かろう悪かろう」なのだ。

他にもっと安い代替サービスがあるのに、
いかにもJ:COMがすごく安いかのように説明するのは
インフラ詐欺と呼ばれても仕方がないんじゃないないか。

しかも、無知な大家や不動産業者を騙して、
「J:COMに加入しているマンションではネットは
J:COMにしか入れない」ような教え方をするために
電話線経由でネット(光など)に繋ごうとして、
許可をもらおうと不動産業者に電話すると
「ウチはJ:COMです!」と自慢げに言われたりする。
なんでワザワザ高くて遅いサービスを選ぶ意味があるのか。


【そんなJ:COMのメリットは?】

そんなJ:COMは、入居者にとってメリットがあるのか?
俺は、無料インフラを利用する分にはそれがあると思っていた。
つまり地上派TVのアンテナとしての利用である。

(ようやくここでCATVの電波の話に戻るわけだが、)
ちょっと電波をカジッタ位の一般人にとって
CATVというのは自宅で電波を受信するよりも
(有線を利用しているために)電波状況の影響を受けにくく、
電波が安定していて、画質が良いというイメージがある。

しかし、前述の山田祥平氏の記事によって
必ずしもそうではないということに俺は気づいてしまった。
地上派アナログ放送にCATVの電波を使うのは自爆だ。ってこと。


そんなわけで俺も山田祥平氏のマネをして、
ヨドバシカメラで室内用のアンテナを買おうと思う。
本当に1000円ちょいで買えるかはわからないけど、
CATVの画質が向上するのなら価値はありそうだ。



んじゃJ:COMなどのCATVインフラは使い道がないかと言うと
そうでもなさそうだ。
周知の通り、2011年7月24日で地上アナログ放送は見られなくなる
そこからは有無を言わさず地上デジタル放送に移行するわけだが、
J:COMに聞いてみたところ、既に地デジに対応しているとのこと。

つまり、そのインフラに地上デジタルチューナーを接続すれば、
地デジ放送を見られるというわけである。

まぁさんざんCATV商売について批判しておいて何だが、
地デジになったら自前で用意したチューナーを接続して、
月額無料で地デジ視聴環境を作ってみようと思う。www
でも、地デジでも画質が劣化したらどうしようか…wwwww


【おまけ。J:COMのサービスが高い理由】

J:COMのサービスが高いのには理由がある。
それは初期投資のコストがあまりにも高いからだ。

例えば、NTTのFLET'S(インターネットサービス)に
入る場合、マンションの世帯数によって料金が変動する。
世帯数が多ければ、FLET'Sに加入する入居者が多いと見込まれ、
マンションへの初期投資コストが回収しやすくなるからだ。
また、プロバイダ料金を含めたFLET'S光の料金が
一戸建向けファミリータイプが7000円台なのに対して、
マンションタイプが4000円台とすごく安いのもこのためである。
(マンションは、棟内共用なのも理由の一つではある。)

つまり、効率よくインフラへの初期投資をする場合には、
NTTのようなやり方が求められるのである。

しかし、J:COMの場合には、入居者が加入を求めずとも
大家(不動産業者)との交渉で勝手に導入を決定し、
配線インフラまではJ:COMの負担ですべて導入してしまう。
たとえそのマンションにJ:COM利用者が1人もいなくとも
インフラだけを設置して、エサにかかる魚を待つのである。

では、そのエサ代を最終的に負担するのは誰なのか?
J:COMか?そんなわけはない。
負担するのは"エサにかかった魚=加入者"である。

つまり、J:COMのサービス料金が高いのは
初期投資の非効率性ゆえであろう。
この話は、同じような経営方法を採るCATV業者にも当てはまる。


俺が思うに、こんな非効率的な経営方法はいずれ破綻する。
初期投資に見合うだけの加入者数が確保・維持できて
はじめて成り立つビジネスモデルだが、
3本柱が全て他の代替サービスに飲み込まれようとしている
現状では、素人目に見ても長く続かないのではないだろうか。

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